きょうは、盆栽士の資格について書きたいと思います。
わたし約1年前(2013年)から、日本園芸協会さんが通信でやっている盆栽技能講座というものを受講し、昨日無事合格しました(人´∀`)キャハ
各章での学習が終わったら課題を提出し、実習課題を少なくとも1つ以上の合格をもらって、
同協会さんが認定している『盆栽士』として看板を持つこともできます。
最近ある掲示板でこの盆栽士ってどこまで通用するのかとか
受講してみたことのある人の回答を求めている盆栽初心者の人を見かけたので、受講してみての感想を書いておこうと思います。
盆栽士の資格は通用するの?
まず、どこまで通用するのかについてですが、答えは
『あまり資格として通用するものではない』
というのが正直なところです。
講座の案内や教科書の中にも書いてありますが、盆栽は経験の積み重ねがいちばん。
教科書を理解しただけで、何十年も盆栽歴を持つ上級者レベルになれないのは当然ですから
それを理解したところで、講座を申し込みました。
とはいっても、わたしは机勉強が好きなので楽しんで勉強出来ました。
講座がスタート…大量の教材が送られてくる
申し込んでからしばらくすると、講座の資料がどっさり送られてきます(゜д゜;
学習の手引き、講座のテキスト(緑色の分厚いのが3冊)、実習課題テキスト、学科課題(1~6)の問題用紙と解答用紙、質問用紙、提出の際の返信用封筒の必要部数などなど…
通信講座は最初にこうたくさん資料が送られてくるもんだから、しょっとくじけそうになります。
しかもその教材たち、うーむ、なかなか歴史を感じる中身です。
資料写真がモノクロなのでよくわからないけど、そのぶん挿絵が丁寧です。
基本的なことは今も昔も変わってないと思うので、基礎を学ぶには十分かd(^_^o)
教材の量も1年間でこんなもんだって思えば大丈夫でしたよ(゜∀。)
この1年間の受講期間で、スケジュール通りのテキスト学習を進めていって各単元が終わるごとに課題を提出していきます。
まず始めに盆栽の基本的な学習からスタートです。
- テキスト1は、盆栽基本編・仕立て技術編(剪定や芽摘み、葉刈りなど)
- テキスト2は、仕立て技術編(針金かけ、特殊技術、創作盆栽など)
- テキスト3は、培養管理編(培養場、病害虫など)・繁殖技術編・応用技術編
といった構成
課題は教材を読んでいれば難しいことはありませんでしたよ。
再提出はあっても落ちることはあまりないと思われる講座です。
決まった時間内でテキストを見ずに回答するように書いてありますが、実際にはテキストを見ながら回答してしまうこともありました(ごめんなさい)。
ただ、戻ってくる結果には毎回ちょっと感動しました。
人生&盆栽の大先生方が手書きで丁寧に赤書きしてくれるんです。
達筆すぎて読めないという問題も時々発生しますが
ちょっとやる気がでて、ちゃんと定期的に課題を提出し続けることが出来ました。
実習課題もあります
ある程度学習がすすんだら、いくつか選べる実技課題のなかから最低1つ選んで(難易度によって複数選択しないといけない課題もあります)、最終実技課題として提出します。
わたしはクロマツの剪定を選びました。
素材は自分で入手出来なければ園芸協会が手配してくれます。
いい素材で結構お安かったので、課題用とは別にゴヨウマツも注文しました。
実生4~5年生の四国産の苗木で、だいたい3000円くらい
実技はちょっと難しかった。というか面倒です。
剪定前と剪定途中と剪定後の写真をそれぞれ各方面(正面・裏・右横・左横)写真に撮って説明書きをしないといけないんです。
写真だけでのやり取りですから細かく撮って送らないとわからないんでしょうけどね(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
さらに全体の作業をレポート用紙に細かくまとめて写真と一緒に最終課題として提出します。
これがちょっとだけ大変で…..わたしは再提出になってしまいました。
ちなみに合格したときの剪定後のクロマツはこんな感じです。だいぶすっきりなりましたかね?
「せっかくついてる枝を落とすのはもったいない」って気持ちがあるので、思い切った剪定が難しかったんですよね。。それで1回め不合格でした。
2016年現在は右半分の枝を全部落として、左側だけで作っています。
講座を受けてよかったこと
通信講座で盆栽をマスターしようなんていうのは無理があるという意見ももっともです。
この講座の受講料は51,000円(税込)。11回の分割払いでも月額4,900円です。
はい、当時アルバイト生活だった私にとっては結構いいお値段でした。
上級者から言わせれば『その分のお金でいい素材を買って、自分で弄ったほうがよっぽど身につく』
とおっしゃることでしょう。
この講座に合格したからといって、立派な盆栽士になったわけじゃありません。
盆栽は続けて、樹を弄って、仲間を見つけて、飾ってみて、学び続けないと上達しないから
ただ、始めての人にとってはさらに盆栽に興味と愛着をもてるステップになるんじゃないかなと思いましたよ。
なにより同じ道や公園を歩くとき、以前より自然に関心をもって眺める時間が増え、毎日の充実度が増しましたよ。
ですから、私にとっては決して悪い講座ではありませんでした。むしろいい講座でした。
教科書は今でも作業場の本棚においていて、結構活用しています。
でも実は
この盆栽士の資格を持ってるってことはちょっと気恥ずかしくて、盆栽仲間には出来れば隠しておきたい笑。経験者に知れてしまうと結構からかわれるから嫌だったんです。
でも『ボクも最初それやってたんだよ!』っていう盆栽歴30~40年の方も結構いたりします(もしかして同じ教材使ってる…?)
そんな出会いがあったときは、改めてよかった~って思います。
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